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タイトル:「カウントダウン」 名探偵コナンより江戸川コナン×毛利蘭
P.N.:里見真白様 サイト:『Jour et nuit』 |
新年になる瞬間のカウントダウン。 鐘の音を遠くに聞きながら、俺は、街へと飛び出した。 「蘭姉ちゃん。早く早く」 急かすように、後ろでのんびりと歩いている蘭に声をかけた。 「もぅ、コナン君。そんなに急がなくても大丈夫よ」 「だって、早く行かないと博士たちが・・・」 子供っぽいふりをして、僕はそう呟く。 もとの姿に戻ったら、言うことはできない。こんな我が儘なんて。 だからこそ、今のうちに甘えているのかもしれない。 元太や光彦たちには言われた。 猫かぶりみたいな今のこの口調や態度が気持ち悪い、と。 歩ちゃんは、可愛いと言ってくれたものの、男が可愛くてどうするんだ、と思ってしまう。 灰原は、どう思っているのだろう。 「蘭姉ちゃん、早く・・・」 そう言いかけて、俺は視線を向けた先に、奴らの姿を見たような気がした。 全ての雑音が、今の俺には聞こえない。 身体が重くなったかのように、全てが止まって見えた。 意識だけはイヤにはっきりしていて、俺の心臓の音がやけにはっきりと聞こえている。 俺を狙っているんじゃないのか? 灰原を狙っているのか? それとも別の誰かを? 奴らの全てを・・・ 知りたい・・・知りたくない・・・知りたい・・・知りたくない・・・ 後をつけていけば、アジトくらいわかるかもしれない。 けれども、今は、また蘭を悲しませるわけには行かない。 トロピカルランドで、蘭を一人置いて行ってしまった時のように。 今ここでまた、蘭を一人置いて行ってしまったら・・・ 新一を失ったように、コナンを失ってしまったら・・・ 誰が彼女を守るのだろうか・・・ じりじりと心は焦るばかりだった。 けれども見間違いだったようで、黒の組織の奴らではなかった。 「コナン君?」 蘭が心配そうに声をかけた。いつまで経ってもその場から動こうとしない俺を気遣って。 けれど俺には、余裕の欠片もなかった。奴らの姿を見た、という思いが、俺の心の中で大きな不安へと変わっていたから。 心のスイッチを切り替えるように、俺は心の中でカウントダウンした。 「何、蘭姉ちゃん?」 何事もなかったように俺はそう笑顔を向けるために。 今は、元の身体に戻るために、準備をしなければならない。 黒の組織の奴らを一網打尽にする為の秘策を練らなければならない。 全ての用意を終えてからでも、まだ遅くはないだろう。 その間に、蘭の心が俺以外の誰かに移ってしまっても、仕方がない。 また新たに、やり直すだけ。 「あ、コナン君、見て!」 手を中に差し伸べて、蘭がはしゃぐように、一片の雪を受け止めた。 「雪・・・?」 俺は空を見上げる。 灰色に淀んだ雲に、ばら撒いたような白い雪が見えた。 今年は、去年よりももっといい年になりますように。 そう願わずにはいられない。 大切な人の笑顔を見ていたいから。 |
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